日本で記録された規模:SNS型投資詐欺
上記の日本の数値はSNS型投資詐欺(暗号資産を含む 架空の投資話全般)とSNS型ロマンス詐欺を合算した警察庁のカテゴリーに基づくものであり、 暗号資産関連のみを分離した公式統計ではありません。個々の被害額の断定は避け、傾向として 引用しています。
手口を分解する
🪙ラグプル——開発者自身が流動性を引き上げる
トークンやDeFiプロジェクトの開発者が、SNSでの宣伝やインフルエンサーの起用で期待感を 煽って投資を集めた後、プールされた流動性を一方的に引き上げて姿を消す手口です。 Chainalysisは、2024年に新規発行されたトークンのうち3.59%が典型的なラグプルの兆候を 示しており、件数にして74,037トークンに上ると報告しています。ミームコイン発行プラット フォームPump.funでは、2024年1月から2025年3月の間に取引実績のあるトークンが700万件以上 発行されましたが、流動性が1,000ドルを超えた状態を維持できたのはわずか約97,000件 (1.4%)で、残りの98.6%は無価値化したと分析されています。
出典:Chainalysis「2025 Crypto Crime Report」。📉偽の投資アプリ——架空の利益を見せてから出金を止める
警察庁が記録するSNS型投資詐欺の典型的な流れです。SNSのダイレクトメッセージで接触した 後、LINEなどのグループトークに誘導し、その中の「さくら」役が儲かったことを示す偽の スクリーンショットを投稿して信用させます。次に偽の投資アプリや投資サイトに登録させ、 偽の管理画面上で資産が増えていく様子を見せることで、のめり込ませます。実際に出金しよう とすると、「保証金」や「税金」などの名目で追加の振込を要求され、詐欺と気づくまで 振込を繰り返してしまうケースが報告されています。この操作の情緒面(信頼構築のプロセス そのもの)は、当研究所のロマンス詐欺レポートで別途扱っています。
出典:警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ「SNS型投資詐欺」。🏦偽の取引所・なりすましフィッシング
日本の暗号資産交換業は資金決済法に基づく金融庁への登録制で、世界的にも厳格な部類の 規制枠組みとされています。この規制の裏をかく手口として、実在の大手取引所を装った フィッシングサイトへの誘導があります。bitFlyerとCoincheckはいずれも、自社をかたって 偽サイトに誘導し、ログイン情報や資産を盗む手口について公式に注意喚起を出しています。 金融庁も、無登録で暗号資産交換業を行っている事業者に対して警告書を発出し、その一覧を 公表しています——2024年後半には、日本居住者向けにサービスを提供しながら登録を得て いない事業者として、金融庁がKuCoin、bitcastle LLC、Bybit Fintech Limited、MEXC Global、Bitget Limitedに警告を発出しました。
出典:bitFlyer公式(フィッシング詐欺注意喚起)、Coincheck公式(フィッシング詐欺注意喚起)、金融庁(無登録業者への警告一覧)。記録された1件
NHKニュースは2025年7月、財産のほとんどを偽の投資アプリを使った手口でだまし取られた 女性の証言を報じています。報道では、家族にどう報告すればよいか分からず不安を抱えている という被害後の心理的負担にも触れられています——これは、この種の詐欺の被害が金銭的損失 だけにとどまらないことを示す、記録された一例です。
出典:NHKニュース「SNS型投資詐欺被害者の証言 負った心の傷 相談はどうしたら 専門家に聞く」2025年7月。よくある質問
送金してしまった暗号資産は取り戻せますか?
極めて困難です。ブロックチェーン上の取引は原則として不可逆であり、銀行振込のような 組戻しの仕組みがありません。送金先のウォレットが海外の取引所を経由して現金化された 場合、追跡と回収はさらに難しくなります。
ラグプルとSNS型投資詐欺は同じものですか?
いいえ、別の手口です。ラグプルはトークンやDeFiプロジェクトの開発者自身が流動性を 引き上げて姿を消す手口です。SNS型投資詐欺は、SNSで接触した相手が偽の投資アプリや 偽の取引所に誘導し、架空の利益を見せて入金を重ねさせる手口です。両方が組み合わさる ケースも報告されています。
金融庁に登録された取引所かどうかはどう確認できますか?
金融庁のウェブサイトには、暗号資産交換業として登録された事業者の一覧と、無登録で 営業している業者に警告書を発出した一覧の両方が公開されています。取引を始める前に この一覧と照合することが推奨されています。
Egidioはこの種の詐欺から守ってくれますか?
Egidioは暗号資産ウォレットやブロックチェーン取引そのものを保護するものではありません。 守るのは、詐欺への入口となる最初の接触——見知らぬ相手からのSMSやメッセージアプリでの 勧誘です。そこを遮断することで、偽アプリや偽取引所にたどり着く前に手口を断ち切ります。